2014年10月14日火曜日

2014 寝袋3選

正直に告白しよう。じつは今回、「このモデルをエントリーするのはやめよう」と考えていた。なぜか。それはもしエントリーしたらベストバイは当確だからだ。戦う前から勝負はついている。あぁ困った、困った…というのが偽らざる心境だった。

 すでに各国メディアに激賞されているが、これは同社(モンベル)のベストセラー寝袋「ダウンハガー」の最上位モデルだ。保温力と寝心地を両立させた「スパイラル・ストレッチシステム」や、水を寄せ付けない「ポルカテックス加工」などの人気ファクターに、世界最高峰レベルの900FPダウンを組み合わせた。筆者(HOBOJUN)は春からこれをプライベートで使っているが、軽くコンパクトで充分に暖かく、たちまちメインで使うようになった。

註:
ダウン自体の性能は「フィルパワー(FP)」という単位で表される。標準的なものは「650FP」程度だが、登山用モデルでは「700〜800FP」、極地用モデルでは「850FP以上」の高級ダウンが使われることもある。今年(2014)から日本のモンベルが「900FP」という超高級ダウンを一般登山用モデルに採用し、大きな話題になっている。









山と溪谷 2014年9月号より〜


実力は文句なしの満点だ。これが「BEST BUY」でもおかしくない。

 特にダウンの品質がすばらしく、光に透かすとダウンボールの一つひとつが満遍なくバルクしていて、コールドスポットが見当たらない。構造もよい。上面はボックス構造にしてたっぷり羽毛を封入し、逆に背面はシングルキルトで薄く、軽くしてある。ファスナーの操作もしやすく、緊急時にはズバッと開けられるようにロックなしの仕様になっているのも感心した(ファスナーの操作性はテストした全モデルで最もよかった)。このクオリティでなんと2万8,080円なのだ!









山と溪谷 2014年9月号より〜

 初めて「ファイン・ポリゴン」素材を見たときには衝撃を受けた。まるでクシャクシャにしたティッシュペーパーかガーゼのような頼りない素材なのだ。それをシュラフの中綿に使おうという発想がまずスゴイと思った。

 この素材の良いところは、水没などで完全に濡れてしまっても、絞って吊るせばすぐに乾くこと。今回、試しに風呂に漬けてみたが、眠れる程度に乾くまで、快晴の天日干しで4時間ほどしかかからなかった。もしこれがダウンだったら丸3日干しても膨らみは元に戻らないだろう。暖かさはそこそこだったが、荒天時の頼りがいは抜群なのだ。






ソース:山と溪谷 2014年9月号「新機軸3シーズンシュラフ」




0 件のコメント:

コメントを投稿