話:真崎文明(モンベル社長)
…
「バフッ!!」
空気を押しつぶすような、雪崩独特の音が聞こえたと同時に、僕の目の前にいた友人らの足元が崩れだし、あっという間に流されました…。
一人は谷底まで滑落して亡くなりました。
当時20歳過ぎだった僕にとってはかなりの衝撃で、今でも滑落停止姿勢をとりながら流されていく友人の姿が脳裏に残っています。
では、実際に雪崩に飲み込まれたときは、どう対処すべきか?
雪崩が発生して止まるまでの時間は、たいてい
1分未満だそうです。雪崩が動いているときは身体を動かせる場合が多いので、視野のなかで明るい部分があれば、そこに向かって泳ぎ続けます。
また、雪崩は止まると同時に雪がギュッと締まり、全身が埋まってしまうと身動きがとれません。雪崩事故の死因の8割近くは
窒息によるものですから、口元を手で被い
エアポケットをつくる努力をすることも大切です。
雪崩で埋没してから
約15分を境に、生存率は急速に下がるといわれており、迅速な捜索がもとめられます。雪崩に巻き込まれてからの遭難者の生存率は、15〜18分で9割ほどで、エアポケットの有無が重要となります。35分を越えると低体温症の危険が増してきます。
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引用:
岳人 2016年 01 月号 [雑誌]
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